情報処理推進機構:情報セキュリティ:PKI における UTF8String 問題に関する調査

 PKI ( Public Key Infrastructure :公開鍵暗号基盤)において使われるデジタル証明書の様式として X.509 バージョン 3 の様式が採用されている。この中の諸項目について、インターネット標準文書である RFC 3280 は、「 2004 年 1 月 1 日以降は UTF8String 型で文字列を保持すること」と規定している。

 その項目には、 DN と呼ばれる(認証対象となる主体の名称を表す)基本的な項目も含まれる,74-325。これは、 PKI の基本的な信用モデルを成立させるための「 PKI を構成するシステムがオンラインで信用パスを検証する」という基本的な処理においても対象となる項目である。人間による可読性の観点からは、既存の PrintableString 等のエンコードによる文字列と、今般の UTF8String による文字列の間には、外見上の差異は無い,70-417。しかし、システムが処理するときには、両者は、全く別のデータ形態となってしまう。(例:同一主体の名称を、同一主体として判定できなくなってしまう,VCAD510J。)

 UTF8String は、文字コードにおける Unicode の系譜に属するエンコード仕様である。 Unicode の文字コードと、他の日本語の文字コードとの間では、「マッピングテーブル」と呼ばれる変換表を参照することになる。 UTF8String と既存の PrintableString 等の間の関係も、理論的には、マッピングテーブルを用いて変換可能であるが、処理が重くなるので、 PKI を構成する多くのシステムによる採用を期待することは、困難である。

 このような問題は、日本語を含む多くのアジア圏の言語に存在するはずであり、この導入に伴う影響は大きい。また、これまでの標準化活動における議論が不十分であったので、実俚膜藪裼盲悠冥丹欷皮い胱礇rにある。

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